全日本ピアノコンクール

河野祐衣さん・石口友登さん

全日本ピアノコンクール2025 連弾:O16の部で金賞に輝いた、河野 祐衣さんと石口 友登さん。互いに桐朋学園大学でピアノソロを専攻している中、2023年にピアノデュオを結成。今回初めて連弾でコンクールに出場しました。普段からのピアノへの想いや連弾・デュオの楽しさ、工夫など、音楽にまつわる様々な話や将来について、お話を聞かせてもらいました。

河野祐衣さん


石口友登さん


桐朋学園大学でピアノを専攻し、同じソロの先生から指導を受けている二人。大学の授業を通して2023年から、2台のピアノで演奏するデュオを結成しました。ともにソロで輝かしい受賞歴を誇る二人ですが、デュオ結成後も、第15回東京ピアノコンクール 2台ピアノ部門 第1位およびS.Rachmaninoff賞、第4回東京国際青少年ピアノコンクール 2台ピアノ部門 第3位(最高位)、全日本ピアノコンクール2025 連弾O16部門 全国大会 金賞を掴み取っています。

今回演奏したのは、ラフマニノフ作曲『6つの小品Op.11より6.スラヴァ』。金賞と分かった瞬間の気持ちは、口を揃えて「ビックリ」の一言。本番の演奏にはお互い満足していたそうですが、連弾のコンクールが初めてだったことと、他の出場者の演奏をきちんと聴けていなかったのでレベルが分からず、「まさか自分たちが?」という思いだったそうです。

2台ピアノの試験後に撮影(大学3年生の時)


二人ともソロが専攻のため、連弾の練習はレッスンやコンクールの前に集中して行います。「ソロでは、どうしたら聴いている人を驚かせる演奏ができるかを意識して練習しています。デュオではお互いの意見の妥協点、いわば着地点を見つけることを大切にしています。意見が分かれたまま納得せずに演奏すると揃わなくなってしまうため、お互いに納得するまでしっかり話し合うことを心がけています」と、友登さん。祐衣さんは、「ソロでは1つの曲に対して1本の映画になるような物語を創作し、場面転換や感情の移り変わりを頭や身体に落とし込んでいます。最近では「自分を疑うこと」と「テンポ・拍子」を特に意識しています。デュオでは拍子を揃えることはもちろん、強弱の幅や息を揃えること、そのためにどう弾きたいかという考えをきちんと言語化することを意識して練習しています」と教えてくれました。

祐衣さんがピアノを始めたのは、6歳のこと。小さい頃からおもちゃのピアノを楽しそうに弾いており、その様子を見てお母さまがヤマハへ連れて行ってくれました。まずは幼児科で歌やリトミックに触れ、その後、小学校入学を期にジュニア専門コースへと移り、本格的にピアノを始めます。

一方の友登さんも、小さい頃から歌うことや音楽が大好き。1歳のころに、お母さまが音楽教室へ連れて行ってくれました。最初はリトミックから始まり、祐衣さんと同じく小学校1年生から本格的にピアノを習い始めます。


互いにソロでも活躍


友登さんはピアノの魅力を、「一台の楽器で音楽を完成させることができるところ」と語ります。「自分一人でも作品の完成形を表現し、聴くことができる点がとても好きです。音楽には人の感情を揺さぶる力があり、聴く人がうれしくなったり、時には悲しさを感じたり、心に直接届く表現ができるところが魅力だと思います」。

祐衣さんは、「音楽は、楽譜に書かれた最低限のことを満たしていれば、感情や解釈などの受け取り方は自由です。演奏する側も聴く側も、自分なりに考えたり研究したりでき、正解が明確にないため、そのままの自分でいられるところが好きです」といいます。

ショッピングモールでミニコンサートを開催


それぞれが思う、連弾で大切なこととは何でしょう。

「一番は、楽しんで演奏することかなと思います。練習の時でも、雰囲気が殺伐とし過ぎていると続かないし、演奏にも緊張感が出てしまう。だからまずは賞にこだわらず、楽しく弾くことが大事なのかなと思います。あとは、知識があれば言葉のボキャブラリーが増えていくので、音楽という抽象的なものを具体的に話すことができると、より相手に伝えられるんじゃないかなと思います(祐衣さん)」。「連弾の楽しさは、ソロではない“音楽の対話”。そこを楽しんで練習できるといいと思います。仲が悪かったら本当に合わないから、関係を深めることも大事だと思います(友登さん)」。

趣味は写真撮影(祐衣さん)


プロテニスの試合観戦で息抜きを(友登さん)


この春から大学院生となる二人に、どのようなことに挑戦したいか聞きました。祐衣さんは、海外への留学を検討しているそうです。「ドイツかオーストリアへ留学したいと思っています。その先で、演奏は続けながら教育面、または研究面のどちらに比重を置くか決めようと思っています。デュオは楽しく長く続けられたらいいなと思っているので、タイミングが合えばいずれ海外のデュオのコンクールに出てみたいなとうっすら考えています。将来どのような立場になっても、音楽の魅力を多方面から伝えることのできる人間になりたいです(祐衣さん)」。

友登さんも同じく、ヨーロッパ圏への留学を検討しているといいます。「来年度からは大学院修士課程に進学するので、まずはそこで自分の音楽を深めていきたいと思っています。また、ポーランドの作曲家に興味があるので、色々な作品に触れて知識を深めて、たくさん演奏していきたいです。デュオでは将来的に、オールピアノデュオのプログラムでコンサートをしてみたいと思っています(友登さん)」。

取材時も息ピッタリに質問に答えてくれた、祐衣さんと友登さん。お互い将来に目を向けて、新たなステージに立とうとしている二人は、とても輝いて見えました。この先、二人の未来がどのような音色で彩られていくのか、とても楽しみです。

全国大会での河野祐衣さん・石口友登さんの演奏はこちら。

2025年度インタビュー 連弾O16
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