上村信之亮さん・笠行慶次さん
全日本ピアノコンクール2025 連弾:U15 部門で金賞に輝いた、上村 信之亮さんと笠行 慶次さん。連弾でペアを組むのは2度目で、前回の悔しい思いをバネに再挑戦し、見事 頂点に立ちました。今回は、二人のピアノに対する想いや連弾の楽しさ、大変さ、そして将来の夢などについて詳しくお話を聞かせてもらいました。
左が慶次さん、右が信之亮さん
取材当時、信之亮さんは中学2年生、慶次さんは中学1年生。同じピアノ教室に通っており、それぞれの先生に勧められたことで連弾のペアを組みました。今回演奏したのは、モシュコフスキ作曲『スペイン舞曲Op.12-1』。実は半年前、ピティナ ピアノコンペティションで全国大会に出場するも、賞を逃して悔しい思いをしていた二人。「一緒に日本一をとってみたいから、他のコンクールにも挑戦しよう!」という強い気持ちで再び挑戦しました。
前回の受賞発表はLINE電話を繋いで一緒に見たそうですが、名前が見つからず落胆。今回はそれぞれ結果を確認したうえで連絡を取って、喜びを分かち合ったそうです。後日、練習の際に直接顔を合わせて、「一緒に連弾できてよかったね。やっと金賞が取れたね」と言葉を掛け合いました。「長い間、頑張ってきた思い入れのある曲なので、とても嬉しかったです」と慶次さん。信之亮さんは、「すごくうれしい。慶次くん、ぼくと連弾をやってくれてありがとう!」と喜びを爆発させます。
これまでにピティナ・ピアノコンペティション 連弾中級Aにて、中部日本地区本選 第1位、日響楽器賞、あしながおじさん賞受賞、全国大会入選を果たしてきた二人。普段は自宅の近くにあるスタジオを借りて、一緒に練習をしています。練習の際には、レッスンで指導されたことの振り返りはもちろん、相手に思っていることをきちんと言葉で伝え、話し合うことを大切に進めてきました。「例えば今回の曲はスペイン舞曲だったから、底抜けの明るさとか、中間部の夜の酒場の雰囲気を表現するのが難しかったです。だから赤いシャツを着て気合を入れたり、酒場の雰囲気を意識して電気を消しながら演奏したり、イメージを共有しながら練習してきました」と信之亮くん。
赤いシャツでイメージを共有
時には一緒に身体を動かして遊び、ピアノのことだけでなく学校のことも趣味のことも、たくさん話して仲を深め合ったという二人。慶次さんは、「一緒にいる時間を増やして、練習や本番も二人で楽しんで取り組むと、いい演奏につながるんじゃないかと思います」と語ります。練習のあとに美味しいものを食べに行ったり映画を観に行ったりして、楽しい時間を共有してきました。
練習終わりのご褒美もお楽しみ
二人がピアノを始めたのは、4歳のころ。信之亮さんは、お母さまが「将来、何か楽器が演奏できると楽しいかな」と考えて勧めてくれました。一方、慶次さんは、お母さまが趣味で弾いていたピアノを聴いて、「自分もカッコいい曲を弾いてみたい」と憧れたのがきっかけでした。
現在、信之亮くんは吹奏楽部でクラリネットを担当。慶次くんは部活でサッカーに打ち込んでいます。通っている中学校が異なるため、テスト週間が違ったり部活がそれぞれ忙しかったり、試合のあとにコンクール本番を迎えることもありました。多忙な中で少しでもたくさん一緒に合わせられるように、スケジュール管理も大変だったそうですが、「二人だと楽しくて、何時間でもあっという間に過ぎていました。今年は受験生で勉強も忙しくなると思うけど、慶次くんとこれからも連弾をやりたいと思います」と、信之亮くんは先のことを考えていました。
信之亮さんは吹奏楽部に所属
慶次さんはサッカー部に所属
二人はどのようなところに、音楽の楽しさを感じているのでしょうか。信之亮さんは、「大変なこともあるけれど、練習すればしただけ良い演奏にまとまっていくのがうれしいです」。慶次さんは、「完成した曲を気持ちよく弾けるところ」だといいます。また、「ソロと連弾どちらが好き?」という質問に対しては、二人とも口を揃えて「連弾」と即答。「連弾の方が協力して弾けるからです。二人で息の合った演奏が出来たとき、一緒に喜べるから嬉しさも倍増します(信之亮さん)」、「弾いている時に仲間がいるから安心感があります。練習もひとりより楽しいし、いい思い出をたくさん作れるからです(慶次さん)」と教えてくれました。
慶次くんソロ演奏
信之亮くんソロ演奏
二人には、目標としている未来があります。信之亮さんの将来の夢は、「手術支援ロボットの開発」。小さい頃からモノ作りが大好きで機械に興味があり、医療ドラマをきっかけに具体的な夢へと固まったそうです。一方の慶次くんは、「連弾の楽しさを知ったので、曲のレパートリーを増やしたい。以前、近所の保育園で被爆ピアノを弾かせてもらったことがあって、“ピアノが平和のために役立つんだ”と知りました。信之亮くんと一緒に高齢者施設や保育園などを訪問して、演奏してみたいです」と目を輝かせます。
ともに切磋琢磨しながら、友人、そして相棒として絆を深めてきた二人。この先、互いにコミュニケーションをとりながらどのような音色を奏でていくのか、新たなピアノの世界を切り拓いてくれるのではないかと楽しみです。
全国大会での上村信之亮さん・笠行慶次さんの演奏はこちら。
