鈴木奏美さん
全日本ピアノコンクール2025 小学生高学年の部で最優秀賞金賞に輝いた、鈴木 奏美(すずきかなみ)さん。
今回は受賞の喜びやピアノを習い始めたきっかけ、普段どのように練習しているかなど、受賞の裏側にあったドラマをじっくりとお聞かせいただきました。
鈴木 奏美さん
現在、小学6年生の奏美さん。これまでにも、ピティナ・ピアノコンペティション第46回B級全国大会入選や第47回C級全国大会金賞と、輝かしい受賞歴をお持ちです。今回の全日本コンクール2025には、バッハの『シンフォニア6番』とモーツァルトの『ソナタ2番 第1楽章』を、先生と選んで挑みました。受賞が決まった瞬間の気持ちを「嬉しかった!」と輝く笑顔で答えてくれた奏美さんですが、実は本番では失敗をしていたため、演奏後に泣いてしまっていたそうです。近くで見ていたお母さまは、「あー終わってしまったなと思いました。けれど先生が、素晴らしい演奏だったよ!とおっしゃってくれていたので、そうなのかな~?と。結果を聞いたときには、え!最優秀賞!?と、とにかく驚きました」と、当時の心境を教えてくれました。最優秀賞金賞をとれた理由として奏美さんは、「表現力にチカラを入れたのが良かったと思う。音色の変化とかを審査員の人が評価してくれたのかなと思う」と受け止めています。
今回の二次審査の様子
奏美さんがピアノを始めたのは、4歳のころ。自宅にあったおもちゃのピアノが大好きで、何度も電池交換をしなくてはならないほど、ずっと弾いていたそうです。歌いながら鍵盤をバンバン叩いていたのが、次第に自分で作曲をするようになり、どんどん音楽の世界にのめり込んでいきました。あるとき、児童館のピアノを自己流で弾いていた奏美さんの様子を知り合いのお母さんが見て、「絶対にピアノを習わせた方がいいよ!」と言われて本格的にスタート。自宅にピアノはありませんでしたが、本人の意思を受け止めて購入し、今に至るといいます。現在、奏美さんは週に1回の教室と、月に数回の教室、2つのピアノ教室に通っています。小学5年生になって新たに始めた教室では、これまでにない発見がたくさんあったようです。「月に数回のレッスンでは、音の力強さや表現力を特に学んでいます。例えば「怒っているときの音」とか、自分の感情を音に出すのが面白いです」、と奏美さん。
昨年の発表会の様子
普段の練習は、学校から帰ってきておやつを食べた16時半ごろから始めます。基本は、先生に指導されたところを直すことの繰り返し。ピアノの練習はすでに生活の中に組み込まれているため、時間になったら自然と鍵盤の前に座るようになっているそうです。ただし、練習の内容は「気まぐれ」と奏美さんはキッパリといいます。「練習を頑張っていても急に弾けなくなることがある。逆に、練習を一日サボったのに弾けるようになることもあるんです。だから普段の練習はホント、気まぐれです」。技術的に難しくて、練習してもなかなか上手にならないときは、「結構つらくて練習が面倒くさくなる」と本音をポロリ。しかし、先生に教わったことを改善することと、どうしたら理想の音が出るのかを考えながら練習を繰り返し、少しの身体の動きやタッチの違いで音が変わることに気づけるのは楽しいといいます。「本番が近いんだから、もうやるしかない!」、本番へのカウントダウンが奏美さんの練習スイッチでもあるそうです。
モダンダンスで表現力を磨く
そんな奏美さんがピアノと同じく熱中して通っているのが、モダンダンスです。想像力を大切にしている教室に通っているそうで、その場で流れた音楽に即興で、自分で振り付けを考えるというスタイル。始めたきっかけは幼稚園の課外教室で、そのころからのお友達と一緒に振り付けを考えたり、練習したりすることが楽しいといいます。表現力の豊かさが求められるピアノ演奏にも、通ずるものがあるのではないでしょうか。
いまは百人一首に夢中
将来の夢は、お医者さんか刑事。『名探偵コナン』が大好きで、登場する刑事がカッコいいから憧れているそうです。また、いまは授業で習った百人一首に夢中で、学校の休み時間でも友達の家でも、ずっと特訓中とのこと。とにかく明るく元気いっぱいの小学生ですが、「ピアノは大きくなっても続けられるだけ続けていきたい」と語ってくれました。
「練習を頑張れなくても賞をとれなくても、最終的にはなんとかなる!」と力強いメッセージをくれた奏美さん。自分なりのピアノへの向き合い方が、オリジナリティあふれる演奏力につながっているのかもしれません。この先、どのような表現で新しい音色を奏でてくれるか、楽しみです。
全国大会での鈴木奏美さんの演奏はこちら。
