全日本ピアノコンクール

佐原葵依さん

全日本ピアノコンクール2025 中学生部門で最優秀賞金賞に輝いた、佐原 葵依さん。コンクールへの出場は2回目で、前回の金賞からさらにランクアップして最優秀賞に輝きました。今回は、葵依さんのピアノに対する想いや普段の練習などについて、じっくりお話をうかがいました。

取材当時、中学1年生(13歳)の葵依さん。全日本ピアノコンクールへの出場は、現在ピアノを教わっている犬塚裕加里先生から勧められてのことでした。「2年前に先生から話を聞いて、全国大会に出たい!横浜にも行ってみたい!著名な先生方に聴いていただきたい!って思いました」。曲目はバッハの『シンフォニア 第3番』と、ショパンの『ボレロ ハ長調』。本番はとても緊張したそうで、「全国大会だからみんな上手すぎてプレッシャーだった。自分が弾く2人くらい前の演奏のとき、自信がなくなって悲しくて、泣いちゃいました。でも、弾き始めると自分のゾーンに入り込めて、練習通りに弾けたから自分的には満足でした」と葵依さんは振り返ります。

「受賞が決まった時は、最初まずは驚き。そのあとにようやく、嬉しさが湧いてきました。みんなに「おめでとう」って言ってもらえて、少しずつ実感が湧いてきました」とのこと。一番嬉しかったことは、「ピアニストの審査員からもらった講評で、「素晴らしい演奏でした!!!」ってビックリマーク(!)が3つもついていたことです!」と明るい声で教えてくれました。

ピティナピアノステップ出場時(当時小学6年生)


葵依さんがピアノを習い始めたのは4歳のとき。幼稚園の先生が弾くピアノに憧れて、自分も上手になりたいとお母さまに伝えて教室に通うようになりました。当時は練習時間たった5分でレッスンに通っていたそうですが、それでも先生はおおらかに、ピアノを楽しむ気持ちを大事に育ててくれたといいます。

現在は週に1回、裕加里先生のレッスンを受けています。レッスンでは一音一音に対するこだわりや曲との向き合い方も丁寧に教えてもらっているそうで、時々先生と葵依さんの好きなBTSで盛り上がるのもお楽しみ! とのこと。「毎回多くのことを学べる先生のレッスンが本当に楽しいです。先生の、「葵依ちゃんなら大丈夫。自信をもって演奏して」という温かい言葉が支えになっています」。普段の練習は、自宅で平日3時間、休日5時間ほど行っており、そのうちの1時間半を基礎練習に当てているそうです。「変り者かもしれませんが(笑)、地道な基礎練習が大好きです!」と葵依さんは言います。

浜松市楽器博物館にて電子チェンバロを演奏


レッスンではピアノと同時に、ソルフェージュも教わっています。また今春には裕加里先生に勧められ、人生初の、チェロとバイオリンとピアノを合わせる室内楽にも挑戦します。「他の楽器と合わせることで、自分のピアノの音だけじゃなくて他の音にも耳を傾けられるようになれればいいなと思いました。あと、チェロとバイオリンの音色を生で聴くことによって、自分の表現の幅が広がるといいなと思って取り組んでいます」

犬塚裕加里先生と


お父さまの仕事のご都合で、物心ついてから2度引っ越しをしている葵依さん。当時、大好きな先生や友達との別れは辛いものでしたが、いま振り返ると、ピアノの演奏に通ずるものが得られたといいます。「当時の辛い経験があったからこそ、土地ごとに素晴らしい先生との出会いがあったし、いまの自分があるんだと思います。いろんな感情を知ることでピアノの表現の幅が広がったと思うので、貴重な経験だったのではないかと感じます。母からいつも、感謝の気持ちとご縁を大切にしなさいと言われています」。

息抜きは、2人の弟と野球をすること


葵依さんには以前ピアノを指導してもらっていた先生からもらった、印象的な言葉があるそうです。「先生から、「葵依ちゃんはピアノを弾くために生まれてきたんだねぇ」って言われたことです。わたしにとってピアノは無くてはならないもので、有ることが当たり前すぎて空気のようなものです。ピアノは感情を表現できるところ、曲という物語に入っていけるところが好きです」と教えてくれました。

そんな葵依さんの将来の夢は、ピアニストとピアノの先生。夢を叶えるために、日々の練習を精一杯に取り組むことと、曲に真正面から向き合うことを大切にしているといいます。「自分自身が楽しむ心を常に持ち続けて、聴いてくれる人にも楽しさを届けたいです!」と目を輝かせます。

「今回受賞できたのは、熱心に支えてくれた裕加里先生、今までお世話になった先生方、家族や周りのみんなの応援があったからこそだと思って心から感謝しています」と述べていた葵依さん。周りの人とのご縁を大切に、たくさんの経験を積み重ねて、この先どのような音色を奏でてくれるかとても楽しみです。

全国大会での佐原葵依さんの演奏はこちら。

2025年度インタビュー 中学生
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